青海老まんが日記(漫画の感想文垂れ流し)

主に完結漫画の感想を語ります。たまにただ語ります


 主に完結した漫画の感想を書く。多分漫画の感想にかこつけたぶちまけになっていると思う。基本的に漫画を読んで「xx 感想」と調べるタイプの人を読者として想定している。要は読んだ人向け。

 タバタ式から辿ってきた方は、恐れ入りますがグローバルナビゲーションのロードバイクの部分から飛んでください。最近練習サボリ気味

修行の話(例えば大学の自転車競技部)


 漫画も人もいい所だけを見つめよう

f:id:Blueshrimp:20171128225442p:plain

(私の拙い修行イメージ)

 タイトル通り、修行の話である。

 部活動をやっていた方は分かるかもしれないが、意味が良く分からない練習というものは、往々にして存在する。もしかすると練習ですらないかもしれない、言ってみれば「伝統」みたいなものが存在する部が多い。

 私の立場としては、「とりあえずやってみい」というスタンスである。

 一応このブログは「漫画」と「ロードバイク」を主戦場にしているので、その片輪であるロードバイクについて語ろう。

 例えば、大学の自転車競技部の話である。一回生に与えられる課題のうちの一つは「とにかく乗れ。なんでもいいから乗れ。潰れるまで乗れ」というものがある。私も月2,000キロは乗れ、と言われた(結局実行できた月はほとんどなかったような気がする)。

 学問において名門と言われた大学で、更に近年インカレの覇者を輩出した大学でもある。そこでのOBの指導内容が「とにかく乗れ」である。

 結論から言うと、とにかく乗った方が良かった。今思えばそういうことになる。

 前述の通り学問でも秀でた大学である(スポーツ推薦は基本的には存在しない)。おそらく前述のOBにも、「何故とにかく乗らなくてはいけないんですか?」と尋ねると、時間はかかるかもしれないが答えは出してくれるはずである。しかし、それが網羅的であるかの保証はOBはできない。

 さて、ここで冒頭の修行の話である。私は修行というものに対して、現時点では「ある技術を習得するため」ではなく、「思ってもみなかった何かを習得するため」のプロセスであると捉えている。

 自転車競技部において実行される全ては「目標として定めたレースで勝つため」であるべきである(そうでないのなら、それは自転車サークルとでも名前を変えるべきである)。もちろんべき論なので実行するのは相当に難しいが、可能な限りそうするべきであるということに疑念の余地はないだろう。

 そして自転車の競技経験に乏しい一回生は、練習の意義を「速く走ること」と自分の枠組みに合わせてでしか捉えられない。「レースで勝つ」という目標はあるものの、そのほとんどを「速く走ること」に求めてしまうのである。

 経験者諸兄はお分かりだと思うが、速く走れてもレースには勝てない。速く、と一言で言っても色んな意味があることを我々経験者は知っているし、では仮に全ての項目(平地、上り、下り、スプリント等)で速かったとしても、レースに勝てるかどうかは全く違う話なのである。

 ところが、一回生はそれが分からない。滔々と説いてもおそらく分からないのだ。実際に何回かレースに出ないと分からないし、ややもするとある程度経験を重ねてもパワーメーターと解析ソフトを睨めっこすることが全てだ(あるいは、大半だ)と誤解することも珍しくはない(私も結構そういう傾向にある)。

 集団内での走り方、様々な斜度やRのコーナー切り抜け方、落車を回避する方法、メカトラへの対処法……当然ここで挙げ切れていない様々な項目があるとは思うが、そういったものは走らなければ身につかない。

 単純にワット数(漕ぐ力)を上げればよいのなら、固定ローラーで延々とトレーニングをしていればいい。確かにある程度勝つことはできるだろう。現に今季惜しくも引退した西園良太選手(元ブリジストン・アンカー)は類まれなるローラーへの信仰力でインカレを制覇した。

f:id:Blueshrimp:20171128180445p:plain

(西薗良太選手。今年も全日本ttを制したが、惜しくも引退)

 だが、西薗選手が言っていた言葉は興味深い。「自分は下りに難がある」という言葉だ。確かに噂ベースではあるが、大学当時と卒業直後の西薗選手はお世辞にもバイクコントロールが上手い選手とは言えなかった(ちなみに、今では名手とは言わないまでも日本のトッププロである。下手であろうはずがない)。

 自分が東大生並に綿密な計画を立てられ、そして鬼のごとき実行力を有していて、かつ才能にもある程度恵まれているなら、ローラー台にだけ乗っていれば多くのレースに勝つことはできるかもしれない。多少下りが下手でも上りで引きちぎればいいのである。そして、インカレの主戦場である修善寺は例えば上り基調のゴールであるし、学生レースのコースは危険回避(未熟なゴールスプリントは極めて危険である)のために上りをゴールに設定していることが多い。

 しかしこれも経験者は分かることかもしれないが、ローラー台の上で連日自己対話の果てのもがき切り、ワークアウトを達成するのは極めて精神力が求められる作業なのである。これを実行すれば、という計画を立てたとしてもおそらくほとんどの選手は途中で精神をやられる。そして一回生にそれを課したところで、おそらくほとんどは徹底した実行はできまい。どこかで手を抜いてしまうのである。

「ローラー台 みのうら」の画像検索結果

(固定ローラー台。現代の拷問器具として呼び声高い)

 いやそんなことはない! 我こそは! という選手がいれば是非西薗選手に話を伺ってみて、そしてそれを実行してみて欲しい。西薗選手の練習メニューを知っているわけではないが、おそらく大学の四年間やりきるのは常人には難しいのではなかろうか。そして悲しいかな、ほとんどの人間は常人なのである(西薗選手は「悪魔に魂を売り渡した」と表現していた)。

 では常人である我々が勝利に近づくにはどうすればよいのか。精神が練習に敗北する前に、どうやれば結果を残せるのか。

 それには、パワーメーターと解析ソフト以外を見つめる必要があるし、ありとあらゆる状況に対応できる実践力(前述の様々な項目)を身に着ける必要があるのである。そしてそれを達成する方法は、「ごちゃごちゃ言わないでとりあえず乗っとけ。先輩の練習についていけ。峠は全部もがけ」なのである。これを修行と言わずに、何を修行と言えるだろうか。

 個人的には、クラス2に上がるかトラック競技の参加標準記録を越えるかというあたりで色々考えだしても遅くはないと思っている。年々大学自転車競技のレベルは上がってはいるが、基本的にはまだ修行で対処できるのではないかと思っている。

 もちろん勉強するなと言っているわけではない。「サイクリスト・トレーニング・バイブル」は何よりも早く読むべきだし、自分の体と対話しながらいろいろな練習に臨んだ方がいいのは間違いない。

 ただ理解しておいた方がいいのは、「初心者が考えることは往々にして枠組みが小さい」ということである。自分なりに目標を立てて、それがレースの結果に直結することはまずほとんどないと言ってもいい。何故なら、目標の立て方が間違っている(勝利へのプロセスになっていない)からだ。そして正しい目標を設定できるようになる最短の方法が「修行」なのである。修行をこなしていくうちに、知らず知らずのうちに目標を立てる能力が身についてくる。他にも当初は思っても見なかった能力が身についてくる。それが修行である。

 修行は乗るだけではない。例えば自転車の整備などももちろん修行の一環である。メカトラでリタイア、というのは結構な確率で頻発する事態である。個人的には、全く無知なサイクリストより整備を熟知しているサイクリストの方がメカトラでリタイアする確率は少ないと思っている。変則機構を熟知していればチェーン落ちの確率は減少するだろうし、なんならチェーン落ちの確率が高い自転車だと思えば事前にチェーンウォッチャーを導入することもできる。BB周りの異音についても、何故それが起こっているのかが分かれば冷静に対処できる。落車したあとに、どういう応急処置をすれば当座は走れるようになるのか。構造を知ってと知らずでは大きく復帰へのタイムは異なるだろう。フロントフォークのツメは削ってあるか? クイックリリースの向きは空気抵抗と落車事故どちらを考慮したものにするか?

f:id:Blueshrimp:20171128180813p:plain(大きなレースに出るのなら、当然削るべきだ)


 結局修行しなければ分からないのである。その瞬間は非合理的に見えるかもしれない。しかし、のちのちの見地から見ればそれが案外最短ルートだったりもするのである。そして一回生に求められる能力は、正しい「修行」を導いてくれる先輩を探すことである。「伝統」と称して誤った「修行」を押し付けてくる先輩は、実は思ったより多いので注が必要だ(かく言う私も、そうした先輩と化してしまうことがある。注意しても、時に意図せずそうなってしまうのだ。正しい「修行」を後輩に課すのは先輩の責務である)。

 ということを柄にもなく(でもないかもしれないが)長々と書いたのは他でもない。以下の新書を読んだからである。

 

修業論 (光文社新書)

修業論 (光文社新書)

 

 
 一応、大前提であるが述べておくと、私が今まで書き連ねた内容が上の書籍に載っているわけではない。あくまで上記を読んだ上での私個人の感想であるということは、改めてここで明記しておく。

 それでは。

 青海老



 

 異論/反論や取り上げて欲しい漫画があればコメントくだされば幸いです