青海老まんが日記

漫画の感想と思い出。雑記とロードバイクも。


 社外ニートがおぼろげな記憶で、基本的に読んだ人向けに完結漫画の感想と思い出を書きます。

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【第二十六回】県立地球防衛軍~ギャグ漫画の恋愛回は如何なものか~


 漫画も人もいい所だけを見つめよう

 

県立地球防衛軍 完全復刻版(1) (少年サンデーコミックス)

県立地球防衛軍 完全復刻版(1) (少年サンデーコミックス)

 

 
 最近(?)再販を果たした名作。本屋で平積みされているのを見たときは流石にビビったね。時代が追いついたのか……というなんとも言えない感慨。Kindle版も出ているので、迷わず買って欲しい。私は紙派ですが。

 若さと勢いに任せたギャグが魅力的。なんとなくあさりよしとおの「木星ピケットライン」に重ねてしまうのは私だけだろうか。

 しかし! 今日はギャグ漫画の恋愛回の素晴らしさについて考えたいので、本作のギャグ的な良さについてはひとまず置いておこう。ギャグとして素晴らしいのは大前提で、その上のお楽しみ、という話だ。

 

 

ギャグ漫画の恋愛回は如何なものか

概要

  1. 著者(私の主観と記憶に準拠)

     安永航一郎。吼えろペンで見た流れ星趙一郎で初めに認識しました。だって安永航一郎の全盛期知らんしなぁ、世代的に。

  2. あらすじ(これも私の主観と記憶に準拠)
     大分の高校生が悪の組織と慣れ合いつつも色々おっぱじめるギャグ漫画。でも全編ギャグ漫画なので、シリアス皆無。正月仮面等々の迷キャラクターを生むが、その解説は他に任せたい。
     いつもの通り、気になる方はWiki(県立地球防衛軍 - Wikipedia )でも見といてください。

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    (一巻表紙。キャラクターが横向きの表紙というのは大層珍しいのではないだろうか。ちなみに書下ろしかと思われる。明らかに後期の画風)

  3. 概要(巻数、掲載誌・時期)

     全4巻。週刊サンデー増刊号で1983~1985年頃連載。
     

感想

  1. 出会い

     安永航一郎。初めて漫画読んだのが、確か巨乳ハンターだったかなぁ。その次が青空に遠く酒浸り。当ブログでもたびたび出現。

  2. 何故素晴らしいか

     ギャグに始まりギャグに終わる作品。話なんかなーんにも無し。頑丈人間とかは話の筋は一応あるけど、これはもうホントなんもない。高校生を自由に暴れさせるために、なんでもありの世界観を作るためだけに舞台設定した感じですね。実際正月仮面とか出てきた時点で世界観もへったくれもあったもんじゃないけど。その自由さがいいのよ。細かいことはナシで。サイボーグが肩からミサイルポッド? ランチャーだったかな、そんなん教室でぶっ放すのは見ていて爽快。ラムちゃんの電撃に対抗するにはこんくらいせんとな。

     主人公の影が薄まるのもいつもの安永節というかそんな感じの萌芽ではある。別に気にならないし、主人公もそれはそれでおいしいポジションである。田中圭一も「人気漫画には『憧れのキャラ』と『感情移入キャラ』が必要」と言っていたが、まさしくその「感情移入キャラ」というのに相当すると思う。

     という下準備があってのラブコメ回である。ここからが本題。

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    (前列左下がヒロイン。ちなみにこういうおふざけは当時は一般教養だったと思われる)

     全編ギャグで勝負されている中で突如発生したラブコメ回。それまでラブコメの「ら」の字も無かっただけに私含む読者は驚愕したことだろう。扉絵に「この臭さ、ハンパじゃねーぜ、、、」とか書いてあったがなんのその、甘い甘い甘い!


     あらすじは、妹が高校受験もあり主人公を訪ねてくるのだが、その際に見栄を張って「彼女の一人や二人……」と言ってしまったのが運の尽き。仕方なく(大義名分を得て?)「一日彼女のフリをしてくれや」とヒロインに頼んで一日デートを妹に見せつける……という話。

     こう書くとなんでもない話だが、いざいざギャグの伏線がざーっと引かれた上で読むと、こう胸にぐっとくるものがある。素直になれない主人公にとんでもなく感情移入してしまうのだ。

     これってホントの恋愛漫画では絶対書けないわけよ。それまで恋愛の「れ」の字も出てこなかったギャグ漫画だからこそ出来るこの落差。もう涙そうそう、というか痺れましたね! 正直ギャグで言えば海底人間とか火星人刑事とかの方がまとまりがあって読みやすくはあるんだけど、こんな回だけはついぞお目にかかれなかった。当時の編集とかどんなこと言って安永氏のケツを叩かせたのだろうか……。
     

     作者の本意ではないかもしれないが、この漫画の50%くらいはこの話の為にあると言ってもいいくらいだ。どっかに落っことしたかもしれない青春を僅か一話で感じることが出来る。珠玉。

     

  3. その他雑感

     

     正直画風はこのころが一番好みかもしれない。復刻版のおまけ漫画と比較すると変化が如実に分かる。なんというか、新しいのは絵の奥行になんとなく不満がある。重版出来の一巻みたいな現象かと思うが、あくまで素人考え。

まとめ

  • 勢いとノリのギャグマンガ。ノンシリアス
  • ギャグの下準備があってこそ映えるラブコメ
  • 一話限りってのが泣かせるねェ

 

 もちろん作者もタダでは起きず、その後主人公を「ラブコメ男」と揶揄する楽屋オチというか、そういうのは鉄板。

 ということで、表題の問いに対する答えは「是非ともやってほしい!」である。引きずっちゃあいかんけどね。
 
 じゃあのノシ

 

青海老

 

 異論/反論や取り上げて欲しい漫画があればコメントくだされば幸いです