青海老まんが日記(漫画の感想文垂れ流し)

主に完結漫画の感想を語ります。たまにただ語ります


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緑山高校 感想:シンプルに嫌な奴


 漫画も人もいい所だけを見つめよう

緑山高校 1

緑山高校 1

 

 
 緑山高校。一言で言えば、「強烈に嫌な奴が世にはばかる」のを延々繰り返すだけの漫画だ。だがそれを徹底出来るのが素晴らしいし、珍しい。何故なら普通はそんな嫌な奴でも愛着が湧いてきたり人気が出てきたりして方向転換を迫られるからだ(闇遊戯とか。最初はただのサイコパスですし)。そして我々はそんなキャラクターの傍若無人な振る舞いに惚れてしまうし、また周囲の一人の目線になってしまう。そこが強烈に魅力なのだ。

シンプルに嫌な奴

概要

  1. 著者(私の主観と記憶に準拠)

     桑沢篤夫。代表作はコレ。絵が荒い(がアニメの方がもっと荒い)

  2. あらすじ(これも私の主観と記憶に準拠)
     投げれば200キロ打てばバックスクリーン遥か上空の二階堂が甲子園、日本代表として大暴れ。嫌な奴が疎まれつつ延々に勝ち続ける様をまざまざと20巻に渡って見せつけられる。
     いつもの通り、気になる方はWiki緑山高校 - Wikipedia )でも見といてください。

     

    緑山高校 1 甲子園初出場!!編 (SHUEISYA HOME REMIX)

    ちなみに私はホーム社の版で揃えた。初代とか手に入るのかね
  3. 概要(巻数、掲載誌・時期)

     全20巻。ヤングジャンプで1984~1988年頃連載。

感想

  1. 出会い

     某巨大掲示板で度々名前に上がるが実際読む機会は全くなく、周囲でも読んだという人間を全く聞かない不思議な漫画であったが、この度バサっと全巻取得できたので一気読み。

  2. 何故素晴らしいか

     事前の情報が「主人公が200キロ投げる」ぐらいだったので、あ~またトンデモ野球漫画ね。それは『戦国甲子園とか『サムライリーガーズとか読んでるから慣れっこですよ、なんなら『Buzzer Beaterでお腹いっぱい……と思っていたのですが、全然そんなことなかった。方向性がまるで違うし、そのスピード感と徹底たるや。 

    Buzzer beater 1 (ジャンプコミックス)

    Buzzer beater 1 (ジャンプコミックス)

     


     そのスピード感。1巻の最初に如実に現れているが、まずいきなり地方大会決勝。しかもほぼ最終イニング。説明もなんもなし。キャラクターも全然分からん。主人公も分からない中でアホみたいな剛球を投げ込んだかと思えば、チーム全体で相手をおちょくる。正直「あれ、第二部か?」とかも考えたけど全然そんなことなかった。完全に読者が置いてけぼりだが、やってることは所詮野球なので話が分からないことは無く、しばらく読み進めるウチにキャラクターと置かれた状況が分かってくる。

     これはかなり勇気が要ることである。大体からしてほとんどの作品(特にアマチュアに顕著だが)は世界観やそのキャラクター性を最初に説明してしまいたくなる。理由はその方が読者が入り込みやすいからだ。

     説明されると、確かに世界観や目的の理解はし易い。ただ、その1巻の頭だけで説明しきれる世界観とキャラクターってどうなのよ。しかも説明に注力されちゃうと物語の筋がなくなっちゃうよ、という話である。そうとうキャラクターや世界観が強烈でなくては上手くいかないこと請け合いである。『ハリーポッター』とかは成功事例に近いと思うけど。

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    魔法ドーン、みたいな

     なんとなくだけど、そのあたりのスピード感は『ワッハマン』に近いと思った。

     で、次に凄いのが徹底である。何に徹底しているかと言えば、二階堂が死ぬほど嫌な奴であり死ぬほど能力が高い、そしてそうあり続けるということ。

     最初の方はキャッチャーが左手を痛める程度の剛球だったのが、キャッチャーがふっとぶ、審判も吹っ飛ぶ、相手バッターの腕が折れる、木製バットが折れる、金属バットがへし折れる……とどんどん描写の深刻さが増していく。相手のレベルが上がっているのにも関わらずである。

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     そう、まさしく人間ではないのだ。ただ結構このあと受け入れがみなさんはやい。あと右下のコマは流石に遊びすぎ

     ある種インフレとも言えるが、私はこれを悪いインフレとは思わない。なぜなら、例えば『ドラゴンボール』で用いられるインフレは「より絶望感のある敵を魅せ、それに打ち勝つべく努力する必要があり、だからそれを乗り越えたときに読者が感動する」というロジックのもと必要悪として用いられている。これによる弊害はもちろん「過去の敵が薄っぺらくなる=あいつに苦労していたレベルの低さって(笑)」である。ヤムチャ(笑)なのだ。

     しかし、この緑山のインフレの目的は「どんなに圧倒的かつ絶望感のある敵が出てきても二階堂はゆるぎなく絶対的であり圧勝する」ということを伝えるためなのである。それにより発生する弊害は、基本的には「高校野球という現実感のあるフィールドとの乖離・整合性の欠落」や「それを達成するための努力シーンが必要で、実行すると冗長になる」だがこの物語では見事にそれを乗り越えている。

     なぜならば、前者の現実感の欠如に関してはもともとそんな見方をするべき漫画ではない。事実、アニメ第一話では球がすんごい光る。『光の小次郎』とかどうでもよくなるレベルで光るので、我々もそういった読み方をするべき。
     さらに、後段の冗長になるというポイントも、初めから圧倒的な実力があり、本気出せば圧勝という伏線(というレベルではないが)が張り巡らされているのでこれも実施せずにクリア。もっとも、ライバルやチームメイトは努力とか今城とか、技術的な裏付けが必要で苦労しているが……まあ、それも二階堂の天才性を語るためのエッセンスに過ぎない。

  3. その他雑感

     結局、嫌な奴が圧倒的な実力で全てを粉砕していくのを楽しむ漫画なのだ。うん、シンプルでいい。 

まとめ

  • 圧倒的嫌な奴大勝利
  • 良いインフレ
  • 脇役(主将とか)も好きよ

 

 ちなみに、好きなキャラはキャッチャーの犬島君です。こうなんというか、圧倒的な実力がありながら二階堂には勝てないという自覚があり、それでも負けを認めない精神性というかそういうのがぐー。

 あ、あと若干触れましたがアニメもかなりグッドな出来栄えです。原作の伝えたいメッセージを良い感じで誇張して伝えているので、改変というか改良になっているシーンが目立つ。遅れてきた勇者たちも、かなり良い歌でござんす。
 

 とんでも野球漫画のオススメはこの二つ。

blueshrimp.hatenadiary.jp

 

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青海老

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