青海老まんが日記(漫画の感想文垂れ流し)

主に完結漫画の感想文。たまに自転車乗ります


主に完結した漫画の感想を書く。多分漫画の感想にかこつけたぶちまけになっていると思う。

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パンゲアの娘 KUNIE 感想:”最後”の海洋冒険ロマン


 漫画も人もいい所だけを見つめよう

 

パンゲアの娘 KUNIE(1) (少年サンデーコミックス)

パンゲアの娘 KUNIE(1) (少年サンデーコミックス)

 

 
 読んだ後の私の一言。「これが売れなきゃもう日本の少年漫画は終わりだぎゃ……」

 いや、確かに話は小学生が読むにしては複雑なんよ。でも、でもだ。ここまで「少年の冒険心」を的確にくすぐってくれる作品を私は(最近は)知らない。これで駄目ならもう「海洋冒険ロマン」は死んだね。ジャンルとして終わったよ。あとはあさりよしとおが「大人向け少年海洋冒険ロマン」で細々と作品を作るより他はないのだ。正統派とは言い難いけれど。

蒼の六郷

 この『青の六郷』。これが多分日本の本格海洋冒険モノのラストになるだろう。ジャンルとしてもうこれは死んだ。悲しいけれど……

 

”最後”の海洋冒険ロマン

概要

  1. 著者(私の主観と記憶に準拠)

     ゆうきまさみ。『あーる』とか。

  2. あらすじ(これも私の主観と記憶に準拠)
     南の島から女の子が突如現れた! エキゾチックな美人だ! 彼女は「私はあなたの嫁だから(意訳)」という主張を繰り出し、しかも謎の卵を持っている。その孵化した姿はなんと古代の恐竜で……という海洋冒険ロマンとして150億点の出だし。もう俺垂涎。書いてて涎出た。
     いつもの通り、気になる方はWiki(パンゲアの娘 KUNIE - Wikipedia)でも見といてください。

     

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    (第2巻表紙。)
  3. 概要(巻数、掲載誌・時期)

     全5巻。週刊少年サンデーで2001年~2002年連載。

感想

  1. 出会い

     実はゆうきまさみ作品の中では『バーディ』や『パトレイバー』はおろか、『マジカルルシィ』やその他短編集(気まぐれサイキックとか)より読んだのは後だ。『バーディ』の打ち切りがよほどショックだったのだろう。打ち切り作品は目にしたくなかった。が、もうゆうき作品を読みたい欲求と天秤にかけた結果衝動は抑えられなかった! 

  2. 何故素晴らしいか

     冒頭にも若干書いたが、「小学六年生」「謎の外国人(しかも美女)」「恐竜の卵」「(自分を狙う)暗躍する組織」「ちょっと自分に気がある女の子」「マッドな博士」「古代兵器(に類するもの)」とまあ海洋冒険譚に必要なフルセットが揃っているワケですよ。

     しかもそれを料理するのが大ベテラン。SF(パロディ)畑20年のその人。それで不味い料理が出来るわけがない!

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    (舞台は整った! これで第一話)

     するとどうだろうか。もう気持ちの良いくらいに想定通りにキャラが動く動く。どのキャラクターも「海洋冒険スペクタクル」を実現するために右に左に躍動するのだ。特に各キャラクターの説明が一通り済んだ以降はもう皆さん四方八方に動く動く。そこには『あーる』や『パトレイバー』の面影がちらりほらり(カメオ出演というワケではなく、系譜を引く雰囲気というか、まあそんなもん)。

     少年誌という範囲内での大人の策略。健全なお色気シーン。どこにでもいるような小学生の、さもありそうな思考回路(そして、それは現実にはいないような「若干」の成熟を見る)。さながら小学生は「わくわく」して本書を読めたことだろう! 恐竜×戦艦(って表現合ってるのかな?)は子供のロマンだ!

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    (こういうののつきももの「戦艦」とか「うだつが上がらないおじさま」ももちろん出てくる)

     結論から言うと、海洋冒険譚として超一流! なのだ。ホントに。 

  3. その他雑感

     ただ打ち切られている。モノとしては最上級。でも打ち切り。

     不思議と「何故?」とはならない。ならないんだよ。打ち切りの理由はあまりにも明白で、そして悲しい。

     まず、冒頭に述べた「海洋冒険譚の要素全部入り」という言葉を思い出して欲しい。そう、ホントに全部入っているのだ。はっきり言って、多すぎるんだよ。私はめちゃめちゃ嬉しいけど、ここまで多いと結構読むのに集中力が要るのだ。

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     例えばこのページ。ネーウがめちゃめちゃ多い。けれど、話の本筋に必要な台詞は多分「のんびりしよったらえーでしょー」だけなのである。ほとんどは漫才みたいなもんで、私にとってはそれは心地よいのだけれど、最近の読者(といっても2000年代初頭ではあるが)はこれはついていけないのではないかな。こういうのを少年誌には求めない。

     そう、おそらくこういった「複雑」な設定は少年的には「間に合っています」ということなのだろう。よりシンプルなものを読みたい、という欲求がこの時期の少年漫画を支配していた気がする。それを打破するのはデスノートやその他「ネーム多め少年漫画」の登場を待たねばなるまい。我々の脳みそはそういう風には出来ていなかったし、多様性を受け入れられなかった。

     なんというか、たぶん脳が対応しないんですよ。『うしおととら』なら「とにかく殴る。そして泣かせる」で、『金田一少年の事件簿』の謎解きパートなら「頭捻ってエウレカ! ってなる」というように、無意識のうちに脳を切り替えていたところを「海洋冒険譚……って、どっち? 頭使ったほうがいいの? ぼーっと読めばいいの?」ということで迷ってしまう。そして頭使わないで読んだ結果、話が追えなくなりその冒険譚としての真の面白さは誰にも気付かれずに消化されていく……というワケよ。悲しすぎる。

     と、いう訳でこの反省を生かして大成功したのが『白暮のクロニクル』なのである。完璧ですわ。青年誌で連載したってのも大きいけれど、設定を出来るだけシンプルにして、そして話を複雑にする。毎話ちゃんと盛り上げて(実はクニエでは「話の進めるための話」が若干存在する)くれる。完璧ですわ(二回目)。未読の方は是非。

    白暮のクロニクル(1) (ビッグコミックス)

    (立ち上がり不安だった(『KUNIE』と『バーディ』のせい)が、めでたく完結)
     

まとめ

  • 海洋冒険活劇に必要なもの全部載せ
  • (私は好きなんだけど)クドい
  • 『白暮』を読もう!

 

 ちなみに画風はここの時代が一番好き。誤解を恐れずに言えば、キャリア最初期のゆうきまさみは「そんなに」絵は上手くなかった(+私は原田知世がそんなに好きではなかった)。最近のゆうきまさみは青年誌向けなのか、味付けが薄い。この少年誌に最適化した『KUNIE』こそが贅を凝らした逸品なのではなかろうか。

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 絵が見易い。線がはっきりしているからだろうか。そして女の子(クニエ)がまたかーいいんだ。ただネーム多すぎだろ!

  関連する過去記事はこっち(↓)。ゆうき作品は大体読んでしまったな…… 

 

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青海老

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