青海老まんが日記(漫画の感想文垂れ流し)

主に完結漫画の感想文。たまに自転車乗ります


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それでも町は廻っている 感想:少年の日の心の中にいた青春の幻影


 漫画も人もいい所だけを見つめよう

 

それでも町は廻っている(16) (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている(16) (ヤングキングコミックス)

 

 
 完結してしまった……(私の中で)。最終話が発表されてから2年。私は遂に重い腰を上げて最終巻を買った。

 ついに、歩鳥の物語が終わってしまったのだ。読後感は、悲しさと喜び。新たなる旅立ち、そして伝説へ……。

 (自分の中で)終わらせるのが嫌な漫画というものがあるだろう。様々な条件である種の漫画はそういう特性を持つと私は考えていて、そして「それ町」はその要件をことごとく網羅してしまっているのである。沢村賞みたいなもんだな。

 

 

少年の日の心の中にいた青春の幻影

概要

  1. 著者(私の主観と記憶に準拠)

     石黒正数。それ町が代表作ではあるけれど、他に『木曜日のフルット』とか。デビュー作の絵の荒さったら!

    Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

    (初期短編集。行き場のないエネルギーと猛烈な絵の荒さが魅力的)

  2. あらすじ(これも私の主観と記憶に準拠)
     花丸元気印兼現役女子高生探偵(気質)の嵐山歩鳥が(主に)町内を舞台に謎を解決! 大分SF(すこし・ふしぎ)だ!
     いつもの通り、気になる方はWiki(それでも町は廻っている - Wikipedia)でも見といてください。

     

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    (第八巻表紙。多分私はこの純な表情の歩鳥が一番好き)
  3. 概要(巻数、掲載誌・時期)

     全16巻。ヤングキングアワーズで2005~2016年頃連載。

感想

  1. 出会い

     表紙を見た瞬間に「なんかある!」と思うことはないだろうか。それに相当するのがこの本である。ヤングキングアワーズ、という聴き慣れない(失礼!)雑誌に掲載されているが、果たしてどれどれ……と読んでみると、まあ面白い! そして歩鳥がかわいい! その時私は中学生~高校生。そう、ある種理想の女子高生ではないか!

  2. 何故素晴らしいか

     タイトルにある通り、嵐山歩鳥という女性は「少年の日の心の中にいた青春の幻影」なのである。

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    (幻影の女。最近はメディア露出が多くてギャグ的要因になっているが)

     私にとって嵐山歩鳥はメーテルなのである。俺は鉄郎だ。

     説明しよう! まず前提として「大人とは子供の想像の産物」論があるとすると、私は15才の高校生である。そんな中でお姉さん然とした、しかし子供っぽい――さりとて女子高生な――方がいたとしたら! それは心の中に巣食ってしまうのではないかね?

      男子中学生である私が捉える嵐山歩鳥。彼女を構成する要素は大きく三つある(コンサルみたいだな)。

     まず、純粋さ。裏を返した子供っぽさ。それに伴う「艶」の無さ。これだ。

     嵐山歩鳥という女性は、所謂「子供っぽさ」が多分に残る女性構成である。多分読者である我々が彼女に抱く子供っぽさは、「疑問に対する飽くなき探求心」と、「独自の世界の見方」に端を発しているのだと思う。

     疑問に対する飽くなき探求心は、彼女の探偵としての動向に端的に現われる。探偵という職業は典型的なボトムアップ的な能力が求められると私は考えており、最近大のオトナ・ビジネスマンの間で流行の「仮説思考」と大局的な頭の使い方だと思っているのが、いかがでしょうか? え? 考えすぎ?

    仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

    (ビジネスマン必読! とも言えるが、そもそも仮説思考が出来ない人間がビジネスをしてはいけない)

     まあありていに言えば「基礎情報を収集するのを厭わないし、なんならそれを楽しみにしている」と表現した方が適切かもしれない。それが私を魅了してやまない。

     そして彼女の「艶」のなさ。大人の女性としての魅力が皆無である点も我々オタクを魅了してやまない。


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     (女子高生は大股を開かない、ようになっている)

     彼女に女としての魅力がないと言っているわけではない。「大人の女性」として扱える要素が何一つないと言っているのだ。これがメーテルと嵐山歩鳥の違いである。両者とも魅力十分んで合コンで出てきたら私は息を切らして自己主張や年収と学歴さらには身長などをアピールした結果見事「カス人間」として闇から闇に葬られることだろう。

     ちなみに上記ページの「葬らん!」はもちろん元ネタは「あーる」である。それ以前の元があったらゴメンだけど。

     閑話休題、そうした艶やかな大人の女性ではないことを彼女は気にしていないワケではない。劇中彼女が自らの幼さ(童顔?)を気にすることは多々あるが、それは大人の女性ではないことを気にしているのではない。そんなものになりたいと(少なくとも潜在的には)思っていないのである。そういうところに、惹かれている。

     これらの要素を意識してそれ町を再度紐解くと、なるほど彼女の魅力が十二分に伝わる全16巻になっているのではないかと思うだろう。この物語は、『フリクリ』がPillowsのPV足りえたかのように、全編を通して嵐山歩鳥のPVであるとは言えないかね!? 噛むとふにゃんだぜ。

    フリクリ FLCL Blu-ray BOX (PS3再生・日本語音声可) (北米版)

    (ちなみに評判が大変なことになっているオルタナなどはまだ見てません。見た方がいい?)

     と、ここまで青春の幻影である嵐山歩鳥だけについて語ってしまった。そう、彼女はVery Fictionalな人間であって、あんな人間はいない。合コンに出てくる「私ってサバサバ系だから~」というような女とは対極であり、もし嵐山歩鳥が合コンに出てくるようになってしまったら、それはもはや嵐山歩鳥ではない。猫の地球儀で楽が言っていたように「自分は焔が好き。振り向いてほしい。でも、自分を振り向くような焔は焔じゃない(意訳)」ということになるんだろうか。なるんだろうな。
     

    猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

    (オールタイム・ベストな小説を10本選べと言われたら確実にランク・インするね)
     

  3. その他雑感

     嵐山歩鳥の魅力を伝えてくれただけでも5億点を贈呈したい当作品であるが、もちろんそんな読み方だけが求められているワケではない。とてもよく出来た「すこし ふしぎ」な物語であるし、ちょっと幼いが「青い若者たちの恋愛モノ。ギャグ多量」という見方をしてもよい。それが本書の最大の魅力ではないか。いつなんどき見直しても素晴らしい作品であるが、読み方を強制されない。私はたまたま嵐山歩鳥のPV的な読み方をしているが、果たしてそれは一本の道でしかない。
     

まとめ

  • 嵐山歩鳥の魅力は「子供っぽさ」が主であるが……
  • それは少年の日の幻影でありそれ町という「PV」を通して見つめなおせる一方で……
  • 多種多様な読み方が可能。それがそれ町

 

  天国大魔境買ってないな。買わなきゃ

  関連する過去記事はこっち(↓)。漫画はある種ヒロインのPVであるという主張を私は譲れない願い

 

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 じゃあのノシ

 

青海老

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